総合芸術教育
2019年度 作品展
藤の第2の人生(2歳児)
園庭の藤の花が咲き終わると大きな豆状の種ができる。そうして、ある日、はじけるのである。 子ども達は、せっせとその豆、さやを収穫し、お土産にするが、大人にはあまり喜ばれないというジレンマがあった。 着彩し天井のインスタレーションに仕立て直したという事にこの作品の意義がある。
切断(1・3歳児)
3歳児
原理としてはナイフのほうが先である。 鋏は2枚の刃を擦り合わせなければ切れない。 集中と手加減がいる。 まずは一発切りから練習する。 紙テープの緊張した空間を断ち切ると一気に緩慢な道が開ける。
1歳児
道具以前は手で裂く。 体重をかけて破り取る。 無言で黙々と実験は行われる。 下から現れる世界は魅惑的である。
接着(3・4・5歳児)
糊の接着方法には2種類ある。 A:貼られる支持体に糊を塗布しておき、折り紙をのせる。 B:貼る折り紙に糊を塗布し、支持体にのせる。
まるで恋愛である。 自分から好きで飛び込むのか、相手がやって来て受け止めるのか。
3歳児
3歳児は糊がほぼ透明で、特有のベタベタ感に気を奪われると目的を見失って大わらわしてしまう。 ベタベタ問題は悩ましい。 Aの方法から落ち着いて始める円の的があるだけで集中力は高まる。 おりがみは最初は裂くだけで満足しているが次第に曲線に小さくちぎる。 的のかたちを埋め込む事に夢中になる。
いつも色調を考慮する子もいる。 美意識はもう在る。 5歳児になる頃にはBの方法もコントロールしていく。 AとBは時と場合によって使い分けられていく。 どちらでもよいのである。
箸と箸置き(4・5歳児)
箸先を噛む。
迷子になって転がる箸。
浜辺の小石やシーグラスで自分の箸置きを製作。
場所さえ決まれば大切にする。
混色
光のあるところにしか色は存在しない。 混色とは無限の組み合わせの魔法の中を漂う遊び。 一度は全部の絵の具を混ぜてしまう。 グレーからピンクに戻る魔法は無い事を知る。 色を操るのは楽しい。 次第に筆使い、水使いに工夫が始まる。