総 合 芸 術 教 育
2024年度 作品展
おさんぽワンワン (0・1歳児)

目入れとボディの模様、耳と尻尾を選んでもらって貼り付けた作品。
母親と授乳の時見つめ合う、高い高いをされながら父親と見つめ合って笑う。
「目」は赤ちゃんにとって重要なパーツで、見つめ合う事で人間関係の情緒の安定を育んでいく。
見つめ返さないとその子は見ることさえ諦めてしまうという。
どうぞスマートフォンより、我が子とアイコンタクトを!
歩き始めの時は果敢に歩行に挑み、道端でもそれまでの抱っこからの視点が変わり犬達とよく目が合うようになる。
喜んで、「ワンワンちゃーん!」と言葉が出てくる。
猫もワンワンと言ったとしてもご勘弁を、じきニャンコと区別していくのでご安心くださいませ。
氷のあるお部屋
大きくて透明な氷。どんどん小さくなっていく、どこへいっちゃうの?
身近な“水“の変容を体感する。

にじみの世界 (2歳児)

“滲み“を愛でる、美しいと思うようになるのはいつ頃からなのだろう。
小さい人々の清らかな目にはブルーライトよりもあらゆる素敵なにじみの世界をお見せしたい。
清少納言は春のあけぼののにじみの紫を書き、夕暮れの空に私達は息を呑む。
お皿の上にも足元にもふっとにじみは現れる。手を使わないのに色が動き混じり合っていくのは楽しく、不思議。
当然のことだが滲みは一過性で二度と同じものは観ることができない。
同じペンと霧吹きを使ってもだ。
「スポンジペイント」
大きくて長いダンボールは2歳児にとって素敵な壁。
バケツの色水をスポンジで汲み取りジュワジュワゴシゴシ洗うのではなく着色した。

「バルーンペイント」
風船に絵の具をつけてボヨンボヨン

「お手伝いエプロン」

さつまいもが採れてスタンプで作った自分のエプロン。掃除や片付けのお手伝いを張り切っている。
しいたけさん(3歳児)

半年を通して、椎茸やキノコを題材に活動した。
森の掃除屋さんと言われるキノコは菌糸で繁殖する他の動植物とは異なる独自の存在である。
食卓でも野菜?お肉?お魚かな?
3歳児は考えている。♪キッキッきのこ〜の歌は大好きで踊っている。
椎茸の原木から育てると驚きの生態を観察する事ができた。
ある朝、登園したら「キノコでたー!!」と発見した子は担任のもとにまっしぐらに駆けて来て教えてくれた。
収穫、干す、食べるなどの食育と連動して造形活動に展開していった。
自分以外の何かに親近感を持つというのは、関わりと時間がかかるものである。
「しいたけさんシリーズ」
古傘をきのこに見立ててグループ制作


「ジグザグ運転」
カラーペンを持って好きに絵を描く方法の他に絵を描く方法はいくらでもある。
この作品は手首や肩を回しながら曲線をかくエチュード。
ミニカーで遊ぶように障害物をまず設置してペンを走らせると自然に痕跡が残る。
真っ白な紙恐怖症の方でも大丈夫。
絵を描けない子は本来いない。
何かのストッパーが掛かっているだけだ。


大きな紙(4〜5歳児)

モノを作る場合、ゼロから始める時とまず大きなモノから裁断・分割・再構築して作る時がある。
秋に5歳児はカステラ1斤をみんなで分けて食べるという授業を行った際、四苦八苦していた。
公平にこだわる方、所有欲を崩さない方、切り方や形にこだわる方など
全員にカステラが行き渡り全員が満足するまでドラマは次々展開したのである。
今回は大きな紙をグループに1枚配布した。
1本のハサミで順番に1人ずつ切っていく遊び。
最初にハサミを手にした人は大変プレッシャーを感じているのが伝わってきた。
1枚が2枚、2枚が3枚に目の前で自分では思いもかけない形に分解されていく。
その後、A:もっと切り続ける B:パズルのように元の1枚に貼り合わせる C:好きな紙切れに絵を描く
の3種からグループで選択してもらった。
上の作品はBを選んだグループの力作。
土地も国家や街に分設しているのは人間が勝手にやっている訳で、もとより地球は地球でしかない。
幼い人々にとって仲良く分けたり協働することは、学び初めの難問である。
「数字コレクション」


4歳頃はマークや数字、標識などに俄然興味が湧き始め、金銭や時計、そして文字へと関心が拡がっていく。
鏡文字になったり、下から立ち上がるように書いたりしながら自主練に熱心に取り組んでいる。
好きな数字を好きにコラージュしてペイントした作品。
5歳になると、朝7時5分前放映の教育番組のタイトルを反映させたりして面白い。
数字によって一喜一憂する大人をどう思っているのだろうか。
0がいっぱいあるのが金額が大きいということもご存知のようだ。
「消防車」

年に一度、消防車が園に来る日はみんなのテンションが上がる。
消防士さん達も凛々しく、真っ赤なボディやホース、銀色の消防士帽をかぶったり夢のような日なのである。
4歳児は立体で、5歳児は絵画表現している。
「バイオパーク/フラミンゴ」


フラミンゴは絵を描いている子ども達に興味津々で、とても近くまで来た。
観ているのか観られているのかわからない距離感。
こんなチャンスはそうない。エレガントさにうっとり。