平和教育
2022年度 平和学習
怪我をした友達(ぞう組)
長崎の原爆で大火傷をした吉田勝二さんの事を、桜馬場中学校の生徒が紙芝居にして残してくれました。
被爆2世の方が来園朗読し、勝二さんが引きこもらず明るく生きようとしていたお話をしてくださいました。
こども達はどう感じたのでしょうか・・・
今回は、生活空間で実際自分達と同じ年頃の子どもが大怪我をしていたら、どうする?
君達ならどうする?という授業をしました。
ウクライナの映像や写真で観る長崎の原爆投下と、戦いごっことはどんな違いが彼らにあるのでしょう。
2体の怪我をした人形“たけるくん“と“はなちゃん“はみんなの教室に担架で運ばれてきました。
「これは人形だよ。中は紙やろ?」など
ニヤニヤしている正直者やギョッとしている子もいます。
1日目/どうする?何ができる?
こども達<医療チーム>
「心臓を聴く、お薬塗ってあげよう、包帯を巻こう、お熱は?大丈夫?痛いよね」語りかけ、手当てすることにしました。
人形とわかっているのに、赤い傷の所は優しく触ります。
「手が無くなってる、、、目を閉じてるね、、、」
ほかに何ができる?
先生:「街の人達に何ができるんだろう・・・」
こども達<仕立て屋さんチーム>
「きれいな洋服に着替えさせてあげたい、靴履いてないね、あー髪もないね」
<床屋さんチーム>
「俺が髪の毛作る!」
<お料理屋さんチーム>
「お弁当作ろう」などアイデアが出て服をスケッチしたり、似合う服を選んだりして、たけるくんとはなちゃんの退院を待ちます。
<医療チーム>は
「手を手術でつけてあげよう」と考えました。
先生:「手、どうして?」
こども達:「手が無かったらご飯食べれん、ドア開けられん、絵も描けん、触れんたい」との事。
2日目
<医療チーム>
そっと抱き起こす優しさ。箸で食べ物を口に運びます。
「スプーンではお粥をあげる」と自分の病気の時、看病された事を思い出して差し上げる子もいました。
たけるくんの傷に当たらないように着せていく仕立屋さん
先生:「えのき病院に入院してたけるくんとはなちゃん、だいぶん良く治ってきましたね。
もうすぐ退院かな。これからどうなるんだろう?」
こども達の答えは強く、はっきりしていました
「生きていってほしい!目を開けてほしい!歩いてほしい!」
その後の2人の姿が展示作品です。
8月9日(火)こどもかいぎ
私が実は1番やろうと思っていたのは、この"こどもかいぎ"である。
〇〇ごっこというので終わらせたくない授業であったし、実際人形を教室に運び入れた時、
「裸の王様だ!」と叫んだ少年のような少年達はこのクラスにも存在したからである。
制作の途中、何度かその少年達は私に「中は紙やろ?ほんとうは」とか、
ニヤニヤしながら「今度、畑のかかし、いつ作るの?」と大人をからかってみたりしていた。
私は一貫して「どうかな〜?」とやはりニヤニヤしていただけである。
女子達の次第にごっこ遊びに夢中になり(遊びだとわかっているが女優としてのなりきり)
「はなちゃん、怪我が治ったらお兄ちゃんに会えるからね〜」などと人形に優しく語りかけるのとは違う感覚である。
今回のこども会議の口火は私が切らしていただいた。
教諭:「ねえ、みんな〜たけるくんもはなちゃんも人形でしょ。」
凍てつく空気感が走り、園児の顔がこわばった。
教諭:「人形なのになんで看病したり、洋服を着せたりしたの?」
すると挑むような目で「ちがう!」と叫んだのは、なんと、あの正直者の少年達であった。
その上、お互いに顔を見合わせ頷きながら「人形なんかじゃない!」などと真剣である。
そうすると、そのエネルギーが他の子にも火を着け、
言葉にならない言葉で前のめりで私にやんややんや向かってくるのである。
彼らは対話に燃えていた。
真剣勝負は必要だなと、たじたじになりながらも私は思った。
「たけるくんとはなちゃんは、友達だから!」ということである。
彼らに何が起こったのか考えてみる価値があるなと思った。
その他参加したプロジェクト
- ウクライナ支援募金
- 日本赤十字大雨災害義援金
- 「ミサイルより鉛筆を」活動
- 高校生一万人署名活動